院長だより

優秀研究賞。

先日開催された大阪大学循環器内科同窓会のなかで、私が大学でおこなってきた臨床研究を優秀研究賞のひとつとして表彰いただきました。

大阪大学循環器内科学講座に所属する先生方のなかで、臨床研究、基礎研究を問わず一定の基準を満たした研究成果を報告された先生方が表彰されましたが、私が取り組んできた心不全に関する臨床研究(MONACO試験)も取り上げていただいた形です。

この研究は左室駆出率(LVEF)の保たれた心不全(HFpEF)患者さんの一部に、強心作用と肺血管拡張作用を併せ持つピモベンダンという内服薬が有効性を示すかどうかを検証する臨床研究でした。

私が2015年前後から長く関わってきたHFpEF症例登録研究(PURSUIT-HFpEF研究)の知見を土台にした臨床試験でしたが、こういった研究は複数の医療機関にご協力をいただかなければ実施することはできない研究で、大阪大学循環器内科のつながりを最大限に利用させていただいた臨床研究でした。

研究結果としては有効性をうまく証明することができず、海外に向けて強く広くインパクトを残すことはできませんでしたが、国内では循環器領域の最大規模の学会で2025年3月に報告させていただきました。
https://shoushoukai.com/2025/04/04/790/

研究の企画、実施は関連病院に勤務していた間に進めていましたが、コロナ禍のなかで患者さんの登録にもかなり苦労しながら進めていた研究でした。
研究結果を報告する形に取りまとめる時期はすでに開業医として現在の仕事にあたっている中でしたので、日常業務と並行しながら学会報告の準備や論文作成を進め、なかなか経験することのない日々を過ごしていました。

この同窓会は大阪大学循環器内科学の基幹関連病院に勤務されている先生方が中心になって運営されている組織で、大学や病院での勤務を離れると研究活動を続けさせていただいたり、研究実績を取り上げていただくこともなくなるのが普通の流れなので、このようにご評価いただいたことを大変ありがたく感じています。

また、私のように将来的には開業医を目指しながら基幹病院で臨床、研究に従事している若い先生方もおられると思いますので、そういった先生方を勇気づけることができるきっかけになればなお嬉しく思いました。

現在日々取り組んでいる仕事は目の前の患者さんの問題を解決していくことではありますが、医療を推し進め新しい知見、治療法を見出していくためには、地道に研究を続けることも医学においてはたいへん重要な仕事になると認識しています。

自分の手で新しい研究を進めていくことはなかなか難しくなりますが、今回の受賞を通じ、様々な知見を吸収するアンテナを持ち続け、日々の診療に還元できるようこれからも努力を続けていこうと改めて心にする機会となりました。